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「世界にひとつだけのメモリアルブックケース展」とは?

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Q:「アンティークな布で包む世界にひとつだけのメモリアルブックケース展」とは?

A:希少な手染め、手織りの古布を活かして、新しいカタチにして今に甦らせた作品を展示します。
 テーマは、「つながる、つなげる、よみがえる」です。


Q:どんな作品が展示されるのですか?

A:今回のメインになる作品は「メモリアルブックケース」です。
  このケースが生まれたいきさつは、友人の奥様から「母子手帳をオリジナル製本してほしい」との依頼からでした。「母子手帳のほかにも、たとえば生まれた時の写真や足型、成長記録になる写真なども貼り込めるアルバムのようなものがあればなおうれしい。へその緒も収納できると素敵です」との要望がありました。
  それで、ケースの底にへその緒を納めるボックスを作ってみたり、蛇腹折りのアルバム、メモリアルノートを付属したりと、いろいろと趣向をこらしながら完成させました。この作品は「マナブック」と名づけています。
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Q:マナブックは他にも使い方があるそうですね?

A:マナブックをお見せしたある知人の女性から、ウエディングドレスの生地で包んだマナブックを作ってほしいとのオーダーをいただきました。お孫さんがおられることをお聞きしていたので、プレゼントされるのかなと思ってお聞きすると、ご自身でお使いになりたいとのこと。その使い方は、「エンディングブック」としてです。
  お気に入りの写真や近影の写真をアルバムに貼ったり、預金通帳やマイナンバーカードなど、自分の大切なものをこの一冊の中に収納しておきたいとのことでした。何かあったとき、「この一冊の中に大切なことはすべて残してあるから」と家族に伝えておくと、お互いに安心とのことでした。
  そこで、「もしものときに役立つ わたしの覚え書きノート」というエンディングノートのような冊子を手作りして付属として作って差し上げると、とても喜ばれました。
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Q:マナブックにはいろんな使い方がありそうですね?

A:はじめは母子手帳を収納するブックケースとして作りましたが、使い方は限定しないほうがいいことがわかりました。
  限定しなければ、その人のライフスタイルに合わせていろいろな使い方が可能です。今はペットブームなので、ペットのためのマナブックを作りたいとおっしゃる方もおられます。



Q:マナブックはその人が大切にしている布などで包むそうですね?

A:その人が大切にしている布、たとえばマタニティだとか、産衣だとか、着物だとか、お気に入りだった普段着でもいいですし、とにかく自分が大切に思っている布でマナブックを作れば、それはかけがえのない「世界にひとつだけの、その人だけのメモリアルブック」になります。
  これはぼくの叔母から、エンディングブックがほしいとのオーダーを受けてつくったマナブックです。生地はアンティークではありませんが、その人らしさが表現されたすてきなマナブックに仕上がったと思っています。
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Q:今回は作品展のタイトルに、「アンティークな布で包む」という言葉がありますが、何かこだわりがありますか?

 今回の作品展は、あえてアンティークな布にこだわりたいと思いました。そのきっかけになったのが、長年古布を扱っている来美古庵の西田くみ子さんとの出会いです。(和ギャラリー 来美古庵 http://kumikoan.com
  ぼく自身はそれまでアンティークなものにそれほど興味があったわけではありませんし、あまり知らない世界だったのですが、西田さんと出会って、希少な布をいろいろと見せていただくうちに、その布がもつ存在感というか、エネルギーのようなものを感じるようになったんですね。
  200年以上の年月を経ても今なお残っている生地には、その布を作り上げた職人さんたちの歴史があります。それらの生地に触れながら、職人さんが手作業で、気の遠くなるような時間と労力を費やして織り上げた生地に、もう一度いのちを吹き込めないかという思いが湧いてきました。その試みが今回の作品展につながったわけです。
  ですから、今回の作品展は西田さんとのコラボだと思っています。西田さんに提供していただいた希少な布を新たな作品に仕上げると、布がほんとうに甦るんです。長い時をへて、新たに呼吸しはじめた感じさえあります。作品が出来上がった時、ほんとうに驚きと感動さえ覚えることが何度かありました。
 「この驚きや感動を、多くの人に体感してほしいね」という西田さんとの共感が、今回の作品展となったわけです。



Q:アンティークな布でくるむことで、時空を超えたマナブックを表現できるというわけですね?

A:そうですね、まさに時空を超えて、いのちをつなぐ、バトンタッチする、そんなイメージです。
  人にはいのちがあり、親から子へ、子から孫へとバトンタッチしていくわけですが、まさにマナブックは、いのちのはじまりから、いのちの終わりまでを、ともに一緒に歩むことができる一冊だと思います。古いものでは200年以上も前から伝わってきた希少な布で包むことで、まさに時空を超えたつながりをマナブックで表現できます。



Q:作品はマナブックのほかに展示されますか?

A:マナブックの簡易版として「ノートマナブック」という作品も並びます。こちらはケースのない見開きのブックカバーです。こちらもお気に入りの布で包んだオリジナルの作品となっています。それから、名刺ケース、空間オブジェ、西洋のアンティークの布を使ったケースなども展示します。いずれも希少な布を使って仕上げた作品ばかりです。
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***

作家プロフィール

柴田健二郎(しばたけんじろう)
創作本作家。
2014年 大阪芸術大学短期大学部通信教育部 卒業制作最優秀賞。
2014年 岡山県展入選。
2015年 フランス国際製本ビエンナーレ出品。


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Q:作品作りをはじめたきっかけは?

A:デザインや美術をもう一度学び直そうと思い立ち、2012年に大阪芸大短期大学部の通信教育を受けたのですが、その卒業制作で作った作品が最優秀賞に選ばれました。文章、編集、デザイン、製本、すべてオリジナルの作品です。手作りで製本できることを知ったのもこのときで、それがきっかけで今の作品づくりの世界が始まりました。この作品は岡山県展でも入選させていただいてます。
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Q:作品作りの原点になった出来事があるそうですね?

A:2014年12月にグループ展をしたことがあるのですが、そのとき山陽新聞にインタビュー記事をのせていただき、それを見た美星町にお住いの80歳の女性から本の修復を頼まれました。見せていただくとほんとうにひどい状態でした。お聞きすると40代から何度も何度も読み返してきたまさに座右の書とのことでした。さっそく、文庫本を一度バラして糸でかがり直し、それをハードカバーで装丁し直しました。
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  出来上がった本をお送りして数日経った頃、その方から手紙が届きました。そこには、

 「ぼろぼろの本を立派に甦らせていただき、本当にありがとうございました。私自身が甦ったような気持ちで、これからの生活に張り合いが出てきます。ありがとうございました。」

  ぼくはこの手紙を読んだとき、涙がこぼれそうになりました。年を経るごとに自分も本もぼろぼろになっていく中で、本が甦るとともに自分も甦ったような気持ちになった。本を修復したら、持ち主まで甦った。こんなすばらしい仕事はないなと思いました。それからは、このときの気持ちを原点に、人の人生やライフスタイルに寄り添えるような、そんな作品を作ろうと思うようになりました。
  今回展示する「マナブック」もまた、その人の人生に寄り添える1冊になればとの願いで生まれました。多くの方にぜひ直接手に触れて、作品を通じて自分のつながりを感じていただけたらと思っています。













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by kojobunko | 2016-07-14 10:52 | インフォメーション | Comments(0)


本は、過去、現在、未来をつないでくれるツールです。読む本はもちろん、本には作る楽しみもあります。まだ知らない本の世界をシェアしていきます。by 柴田健二郎


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